
峠越えの遺構が残る 奥羽本線 板谷駅
|Posted:2013/09/08 22:01|Category : 山形県 鉄道駅|
山奥にひっそりと存在する、特殊な鉄道駅である板谷(いたや)駅
を訪問して来ましたので、ご紹介致します。
福島県福島市から、奥羽山脈を越えて山形県米沢市へ向かう「板谷峠」。
明治時代に、隣接する「栗子峠」に街道が整備されると道は廃れてしまい
ますが、入れ替わる様に鉄道が開通します。
~過去記事~ 現在の栗子峠の様子はこちら。
> 国道13号線 早春の栗子峠 走行記
奥羽本線の板谷峠と言えば、鉄道では国内有数の急峻な峠として有名で
す。
約22kmに渡る峠越え区間は、最大33‰(1000mあたり33mの高低差)
の難所で、長野(北陸)新幹線の開通で碓氷峠が廃止された現在、全国JR
の幹線で最も急勾配の峠です。
電車が走るまでは、機関車を連ねて~気動車特急も機関車を連結しないと
登れない、しかも豪雪地帯の難所でした。
そんな難所にある板谷駅へ向かいます。。。。。

福島県福島市から、国道13号線を山形方面へ走り、県境である板谷大橋
を渡り山形県米沢市へ入ります。

板谷大橋を渡ったら、左折して県道154号線へ入ります。
画像の様に、案内標識があるので分かりやすいです。

板谷の集落を抜けた先に、板谷駅へ入る歩道があります。
駅入口の案内板は小さいので、見逃し注意です・・・。
手前に、車を駐車できるスペースがあります。

歩道を降りて行くと、草に覆われた旧線路と、それを覆う大きな建物が出現
します。これは豪雪から線路のポイントを守るスノーシェードです。

板谷駅へは、このスノーシェードの中を更に歩いて行きます。
スノーシェードの中は、体育館の様に広く、不思議な雰囲気の空間です。

スノーシェードを抜け、本線の線路が見えて来ると、板谷駅に到着です。
本線上のスノーシェードの手前に、小さな駅舎があります。
こんな山奥の駅なので利用する人なんかいるのか?という感じなのですが、
駅舎内には予想を反して電車を待つ人が数人いて、ちょっと驚きました^^;

スノーシェードの中に、ホームが設置されています。
山奥に、大きな屋根に覆われた空間があるという異様さが新鮮です。

板谷駅の駅名標です。小さく「新幹線が通過しますので、ご注意下さい」の
注意書き。人がほとんど住んでいない様な山奥ですが、山形新幹線が通る
のです。
ちなみに、国鉄時代の懐かしい駅名標も掲示されています。


ホームから福島方面を望むと、真っ直ぐ降りて行く本線から、左へ線路が
曲がって伸びています。駅へ来る際に歩いて来たルートなのですが、以前
はこの先に駅があったのです。
最初に紹介した通り、本線の勾配が急なので、線路を分岐させて平らな場
所を作りそこに駅が設置されていたのです。こうした駅をスイッチバック駅と
呼びます。
重い客車や貨車を引く蒸気機関車や電気機関車は、急勾配で一度止まると、
再度走り出すのは厳しい事だったのです。

分岐した線路の先には、使われなくなった旧駅跡がそのまま残っています。
右側の舗装された歩道は、集落から現在の板谷駅へ向かう道路です。

雑草に覆われていますが、線路やホームが残っています。
今はひっそりとしていますが、かつては隣接するジークライト本社工場・板谷
鉱山の貨物の扱いもあり、賑わったそうです。

旧駅舎前のホームから本線方面を望みます。
かろうじてホームの舗装は顔を出していますが、線路や奥のホームは雑草に
覆われて姿さえ見えません。
ちなみに、本線と反対側には広い引き込み線が残っているらしいのですが、
森みたいな雑草に覆われて近付く事もできませんでした・・・。

旧板谷駅の駅舎が残っています。
駅前広場も広く、現在の駅と比べるとかなり立派です。

旧駅舎の横に、板谷駅の案内図がありました(クリックで拡大できます)。
旧駅が本線から分かれた所にあり、分岐部分にはスノーシェードが設置され
ている事が分かります。ちなみに稼動時には、旧駅と反対側にも分岐があり
ました。旧駅へ出入りする列車がバックする為です。

今では、山形新幹線「つばさ」が、ノンストップで通過して行きます。
板谷峠には、板谷駅の様なスイッチバック駅が4駅もあり、こうした遺構は
2009年に経済産業省から「近代化産業遺産」に指定されました。
4駅の中で、一番訪ねやすいのが今回の板谷駅です。
隣には「峠の力餅」で有名な峠駅がありますので、機会があれば訪ねてみた
いです。。。
今は廃墟でも、かつての賑わいを想像できるのが、遺構訪問の醍醐味ですね。
> 板谷峠のスイッチバック 置賜文化フォーラム
現在の板谷峠を越える、山形新幹線「つばさ」E3系。
トミーからNスケールの精密な鉄道模型が発売されています。

難所である板谷峠を越える為に配備された専用機関車「EF71」。
山形新幹線開通時に引退しましたが、模型でなら手に入ります。

を訪問して来ましたので、ご紹介致します。
福島県福島市から、奥羽山脈を越えて山形県米沢市へ向かう「板谷峠」。
明治時代に、隣接する「栗子峠」に街道が整備されると道は廃れてしまい
ますが、入れ替わる様に鉄道が開通します。
~過去記事~ 現在の栗子峠の様子はこちら。
> 国道13号線 早春の栗子峠 走行記
奥羽本線の板谷峠と言えば、鉄道では国内有数の急峻な峠として有名で
す。
約22kmに渡る峠越え区間は、最大33‰(1000mあたり33mの高低差)
の難所で、長野(北陸)新幹線の開通で碓氷峠が廃止された現在、全国JR
の幹線で最も急勾配の峠です。
電車が走るまでは、機関車を連ねて~気動車特急も機関車を連結しないと
登れない、しかも豪雪地帯の難所でした。
そんな難所にある板谷駅へ向かいます。。。。。

福島県福島市から、国道13号線を山形方面へ走り、県境である板谷大橋
を渡り山形県米沢市へ入ります。

板谷大橋を渡ったら、左折して県道154号線へ入ります。
画像の様に、案内標識があるので分かりやすいです。

板谷の集落を抜けた先に、板谷駅へ入る歩道があります。
駅入口の案内板は小さいので、見逃し注意です・・・。
手前に、車を駐車できるスペースがあります。

歩道を降りて行くと、草に覆われた旧線路と、それを覆う大きな建物が出現
します。これは豪雪から線路のポイントを守るスノーシェードです。

板谷駅へは、このスノーシェードの中を更に歩いて行きます。
スノーシェードの中は、体育館の様に広く、不思議な雰囲気の空間です。

スノーシェードを抜け、本線の線路が見えて来ると、板谷駅に到着です。
本線上のスノーシェードの手前に、小さな駅舎があります。
こんな山奥の駅なので利用する人なんかいるのか?という感じなのですが、
駅舎内には予想を反して電車を待つ人が数人いて、ちょっと驚きました^^;

スノーシェードの中に、ホームが設置されています。
山奥に、大きな屋根に覆われた空間があるという異様さが新鮮です。

板谷駅の駅名標です。小さく「新幹線が通過しますので、ご注意下さい」の
注意書き。人がほとんど住んでいない様な山奥ですが、山形新幹線が通る
のです。
ちなみに、国鉄時代の懐かしい駅名標も掲示されています。


ホームから福島方面を望むと、真っ直ぐ降りて行く本線から、左へ線路が
曲がって伸びています。駅へ来る際に歩いて来たルートなのですが、以前
はこの先に駅があったのです。
最初に紹介した通り、本線の勾配が急なので、線路を分岐させて平らな場
所を作りそこに駅が設置されていたのです。こうした駅をスイッチバック駅と
呼びます。
重い客車や貨車を引く蒸気機関車や電気機関車は、急勾配で一度止まると、
再度走り出すのは厳しい事だったのです。

分岐した線路の先には、使われなくなった旧駅跡がそのまま残っています。
右側の舗装された歩道は、集落から現在の板谷駅へ向かう道路です。

雑草に覆われていますが、線路やホームが残っています。
今はひっそりとしていますが、かつては隣接するジークライト本社工場・板谷
鉱山の貨物の扱いもあり、賑わったそうです。

旧駅舎前のホームから本線方面を望みます。
かろうじてホームの舗装は顔を出していますが、線路や奥のホームは雑草に
覆われて姿さえ見えません。
ちなみに、本線と反対側には広い引き込み線が残っているらしいのですが、
森みたいな雑草に覆われて近付く事もできませんでした・・・。

旧板谷駅の駅舎が残っています。
駅前広場も広く、現在の駅と比べるとかなり立派です。

旧駅舎の横に、板谷駅の案内図がありました(クリックで拡大できます)。
旧駅が本線から分かれた所にあり、分岐部分にはスノーシェードが設置され
ている事が分かります。ちなみに稼動時には、旧駅と反対側にも分岐があり
ました。旧駅へ出入りする列車がバックする為です。

今では、山形新幹線「つばさ」が、ノンストップで通過して行きます。
板谷峠には、板谷駅の様なスイッチバック駅が4駅もあり、こうした遺構は
2009年に経済産業省から「近代化産業遺産」に指定されました。
4駅の中で、一番訪ねやすいのが今回の板谷駅です。
隣には「峠の力餅」で有名な峠駅がありますので、機会があれば訪ねてみた
いです。。。
今は廃墟でも、かつての賑わいを想像できるのが、遺構訪問の醍醐味ですね。
> 板谷峠のスイッチバック 置賜文化フォーラム
現在の板谷峠を越える、山形新幹線「つばさ」E3系。
トミーからNスケールの精密な鉄道模型が発売されています。

難所である板谷峠を越える為に配備された専用機関車「EF71」。
山形新幹線開通時に引退しましたが、模型でなら手に入ります。

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