
常磐道全通~帰還困難区域を含む福島沿岸を走ってみました
|Posted:2015/06/15 01:53|Category : 福島県 道・峠|
常磐自動車道(以下 常磐道)は、東京~仙台を太平洋沿岸に沿って
結ぶ、全長約300kmの高速道路です。
東北へ向かう高速道路と言えば、東北自動車道がメインルートとなりますが、
常磐道は二つ目のルートとして期待されています。
2015年3月1日、常磐富岡IC~浪江ICが開通し、常磐道は全通しました!

日本全国で、常磐道のみに設置されている「線量表示板」。
放射線量をリアルタイムで表示する電光表示板です。
常磐道で、最後に開通した福島県沿岸~宮城県沿岸は、建設の決定が
遅れた区間という事もありますが、東日本大震災の地震・津波の被害を
受け、さらに福島第一原発事故による放射能汚染により、現在でも人が
立ち入りできない区域もあります・・・。
その様な地域も通過する常磐道。福島県いわき市から宮城県亘理町まで
走って北上してみました。

いわき四倉ICから、常磐道を北上開始です~。
常磐道は、いわき中央IC以北は、暫定2車線(片側1車線)となっています。
「国道6号線 富岡町以北二輪通行不可」の立て看板が何回か出てきます。
福島第一原発事故の放射能により設定されている「帰還困難区域」は、基本
的に立ち入りは禁止されていますが、常磐道と国道6号線は通過する目的
に限って立ち入る事が出来ます。
ただし国道6号線は、空間を密閉できる自動車のみ通行でき、バイク等その他
の手段では通過出来ません。

広野IC。広野町は、サッカーの総合施設「Jヴィレッジ」があります。
この付近より「避難指示解除準備区域(除染・インフラ復旧等を迅速に実施し、
住民の1日でも早い期間を目指す区域)」に入ります。

PA・SAの案内標識。ならはPAの次は、50km先の南相馬鹿島SA・・・(゚o゚;;
近頃開通する地方の高速道路は、休憩場所が極端に少ないので、注意が
必要です!

ならはPAに立ち寄ってみます。楢葉(ならは)町にあります。

ならはPAです。立派な建物が建っていますが、トイレと自販機のみです。
放射線量表示板が設置されています。

ならはPA・南相馬鹿島SA・鳥の海PAには、広野IC~南相馬ICの放射線
量が分かるモニターが設置されています。
同じ内容を、ネクスコ東日本:常磐道のサイトで見る事が出来ます。
> NEXCO東日本 常磐道 現在の放射線量について

ならはPAの駐車場より、常磐道本線を望む。
常磐道は、太平洋沿岸の丘陵地を、橋梁と切り通し(たまにトンネル)で直線
的に縦断します。
全体的にカーブや勾配は緩やかで、東北でも温暖な地域なので降雪も少なく、
走りやすい高速道路です。
内陸を通る東北道は、常磐道に比べてカーブや勾配が多く、冬は降雪も多い
です。

常磐富岡IC(富岡町)を通過。
すでに、「居住制限区域(将来的に住民が帰還し再建する事を目指し、除染や
インフラ整備等を計画的に実施する地域)」に入っています。

常磐富岡ICを過ぎてまもなく、「この先 帰還困難区域」の立て看板があります。
ここから、「帰還困難区域(長期間、期間が困難である事が予想される区域)」
に入ります。

放射線量表示板は、常磐道にしかないレアな表示板(案内標識)でしょう。
広野IC~南相馬ICに9箇所設置されています。
福島第一原発がある大熊町に設置された線量表示板は、最高値が出ています。
ちなみに、広野IC~南相馬IC(49.1km)を、時速70kmで1回通行する際に、運転手
等が受ける被ばく線量は。。。
・自動車の場合 : 0.37μSv
・バイクの場合 : 0.46μSv
胸部X線集団検診の被ばく線量(胸部レントゲン写真撮影)と比べると、自動車で
約160分の1、バイクで約130分の1と、被ばく量はかなり低く問題ありません。

大熊町と双葉町を通過し、浪江IC(浪江町)です。この周辺までが帰還困難区域。
浪江ICは、国道114号線を経由して、国道6号線と往来する事が出来ます。

常磐道を普通に走っていますが、ここは無人地域。
周辺を見渡すと、田畑は雑草で覆われ、地震で崩れた瓦屋根はシートで覆われた
まま、除染した土を入れた黒い土嚢が並び、その異常さを垣間見る事になります。
ですが、見える山々は緑に覆われて、橋から見える真っ青な海は綺麗です~。
自然はそのまま、震災前と変わりありません。

南相馬ICを通過。南相馬市まで来ると、規制の無い通常地域に戻ります。

南相馬鹿島SA。東北地方内の常磐道で唯一のサービスエリアです(汗)
南相馬鹿島SAの詳細は、次回ご紹介したいと思います!

相馬IC(相馬市)。
相馬市と福島市を結ぶ高規格道路(相馬福島道路)の建設も進んでいます。

新地IC(新地町)。
常磐道、いわき中央IC以北は暫定2車線(片側1車線)となってしまいますが、
追い越しができる片側2車線部分が、比較的多めに用意されています。

福島県から宮城県に入り、山元IC(山元町)。
山元IC付近からは、海沿いの平野に出ます。東日本大震災で津波に襲われた
地域を走る事になります。
仙台平野では、築堤である高速道路(仙台東部道路)が津波を止めて、防波堤
の役割を果たしました。災害時の輸送ルート確保も併せて、常磐道が急ピッチで
整備される事になったのです。

宮城県の南沿岸地域は、イチゴの栽培が盛んです。
常磐道沿線にスゴイ数が並ぶ、イチゴのビニールハウス群。

鳥の海PA。鳥の海とは、亘理町にある海岸自然湾の名称です。

鳥の海PAは、上下線一体型で、トイレと自販機のみの設備です。
太平洋沿岸を高速道路で進む場合、この先の休憩ポイントは~仙台を越えて
三陸道の春日PA(松島の手前!)となります・・・。
休憩スポットが少なすぎて・・・困ります・・・。ガソリン、トイレは要注意ですよ!
過去記事 > 三陸道・春日PAオープン! 東北道・菅生PAリニューアル!

亘理IC(亘理町。わたり、と呼びます)。
東京都練馬区の三郷JCTから約300km、この亘理ICが常磐道の終点です!
亘理ICより先は「仙台東部道路」という名前に変わります。
仙台東部道路に入り、岩沼ICより先は4車線(片側2車線)区間となります。
※常磐道の規定上の終点は仙台市となっています。
亘理ICより先、仙台東部道路~三陸道~仙台北部道路~という名称となり、
仙台市北部の富谷町にある富谷JCTで東北道に接続。そこから東北道と
重複して仙台市に至るのが、規定上の正式ルートの様です。
福島第一原発事故による放射能汚染により、立入禁止の区域を通過するという
特異な環境でもある常磐道ですが、特に気にする事もなく普通に走れる事が、
お分かり頂ければ幸いです(^^)
> NEXCO東日本 常磐道を利用される方へ
結ぶ、全長約300kmの高速道路です。
東北へ向かう高速道路と言えば、東北自動車道がメインルートとなりますが、
常磐道は二つ目のルートとして期待されています。
2015年3月1日、常磐富岡IC~浪江ICが開通し、常磐道は全通しました!

日本全国で、常磐道のみに設置されている「線量表示板」。
放射線量をリアルタイムで表示する電光表示板です。
常磐道で、最後に開通した福島県沿岸~宮城県沿岸は、建設の決定が
遅れた区間という事もありますが、東日本大震災の地震・津波の被害を
受け、さらに福島第一原発事故による放射能汚染により、現在でも人が
立ち入りできない区域もあります・・・。
その様な地域も通過する常磐道。福島県いわき市から宮城県亘理町まで
走って北上してみました。

いわき四倉ICから、常磐道を北上開始です~。
常磐道は、いわき中央IC以北は、暫定2車線(片側1車線)となっています。
「国道6号線 富岡町以北二輪通行不可」の立て看板が何回か出てきます。
福島第一原発事故の放射能により設定されている「帰還困難区域」は、基本
的に立ち入りは禁止されていますが、常磐道と国道6号線は通過する目的
に限って立ち入る事が出来ます。
ただし国道6号線は、空間を密閉できる自動車のみ通行でき、バイク等その他
の手段では通過出来ません。

広野IC。広野町は、サッカーの総合施設「Jヴィレッジ」があります。
この付近より「避難指示解除準備区域(除染・インフラ復旧等を迅速に実施し、
住民の1日でも早い期間を目指す区域)」に入ります。

PA・SAの案内標識。ならはPAの次は、50km先の南相馬鹿島SA・・・(゚o゚;;
近頃開通する地方の高速道路は、休憩場所が極端に少ないので、注意が
必要です!

ならはPAに立ち寄ってみます。楢葉(ならは)町にあります。

ならはPAです。立派な建物が建っていますが、トイレと自販機のみです。
放射線量表示板が設置されています。

ならはPA・南相馬鹿島SA・鳥の海PAには、広野IC~南相馬ICの放射線
量が分かるモニターが設置されています。
同じ内容を、ネクスコ東日本:常磐道のサイトで見る事が出来ます。
> NEXCO東日本 常磐道 現在の放射線量について

ならはPAの駐車場より、常磐道本線を望む。
常磐道は、太平洋沿岸の丘陵地を、橋梁と切り通し(たまにトンネル)で直線
的に縦断します。
全体的にカーブや勾配は緩やかで、東北でも温暖な地域なので降雪も少なく、
走りやすい高速道路です。
内陸を通る東北道は、常磐道に比べてカーブや勾配が多く、冬は降雪も多い
です。

常磐富岡IC(富岡町)を通過。
すでに、「居住制限区域(将来的に住民が帰還し再建する事を目指し、除染や
インフラ整備等を計画的に実施する地域)」に入っています。

常磐富岡ICを過ぎてまもなく、「この先 帰還困難区域」の立て看板があります。
ここから、「帰還困難区域(長期間、期間が困難である事が予想される区域)」
に入ります。

放射線量表示板は、常磐道にしかないレアな表示板(案内標識)でしょう。
広野IC~南相馬ICに9箇所設置されています。
福島第一原発がある大熊町に設置された線量表示板は、最高値が出ています。
ちなみに、広野IC~南相馬IC(49.1km)を、時速70kmで1回通行する際に、運転手
等が受ける被ばく線量は。。。
・自動車の場合 : 0.37μSv
・バイクの場合 : 0.46μSv
胸部X線集団検診の被ばく線量(胸部レントゲン写真撮影)と比べると、自動車で
約160分の1、バイクで約130分の1と、被ばく量はかなり低く問題ありません。

大熊町と双葉町を通過し、浪江IC(浪江町)です。この周辺までが帰還困難区域。
浪江ICは、国道114号線を経由して、国道6号線と往来する事が出来ます。

常磐道を普通に走っていますが、ここは無人地域。
周辺を見渡すと、田畑は雑草で覆われ、地震で崩れた瓦屋根はシートで覆われた
まま、除染した土を入れた黒い土嚢が並び、その異常さを垣間見る事になります。
ですが、見える山々は緑に覆われて、橋から見える真っ青な海は綺麗です~。
自然はそのまま、震災前と変わりありません。

南相馬ICを通過。南相馬市まで来ると、規制の無い通常地域に戻ります。

南相馬鹿島SA。東北地方内の常磐道で唯一のサービスエリアです(汗)
南相馬鹿島SAの詳細は、次回ご紹介したいと思います!

相馬IC(相馬市)。
相馬市と福島市を結ぶ高規格道路(相馬福島道路)の建設も進んでいます。

新地IC(新地町)。
常磐道、いわき中央IC以北は暫定2車線(片側1車線)となってしまいますが、
追い越しができる片側2車線部分が、比較的多めに用意されています。

福島県から宮城県に入り、山元IC(山元町)。
山元IC付近からは、海沿いの平野に出ます。東日本大震災で津波に襲われた
地域を走る事になります。
仙台平野では、築堤である高速道路(仙台東部道路)が津波を止めて、防波堤
の役割を果たしました。災害時の輸送ルート確保も併せて、常磐道が急ピッチで
整備される事になったのです。

宮城県の南沿岸地域は、イチゴの栽培が盛んです。
常磐道沿線にスゴイ数が並ぶ、イチゴのビニールハウス群。

鳥の海PA。鳥の海とは、亘理町にある海岸自然湾の名称です。

鳥の海PAは、上下線一体型で、トイレと自販機のみの設備です。
太平洋沿岸を高速道路で進む場合、この先の休憩ポイントは~仙台を越えて
三陸道の春日PA(松島の手前!)となります・・・。
休憩スポットが少なすぎて・・・困ります・・・。ガソリン、トイレは要注意ですよ!
過去記事 > 三陸道・春日PAオープン! 東北道・菅生PAリニューアル!

亘理IC(亘理町。わたり、と呼びます)。
東京都練馬区の三郷JCTから約300km、この亘理ICが常磐道の終点です!
亘理ICより先は「仙台東部道路」という名前に変わります。
仙台東部道路に入り、岩沼ICより先は4車線(片側2車線)区間となります。
※常磐道の規定上の終点は仙台市となっています。
亘理ICより先、仙台東部道路~三陸道~仙台北部道路~という名称となり、
仙台市北部の富谷町にある富谷JCTで東北道に接続。そこから東北道と
重複して仙台市に至るのが、規定上の正式ルートの様です。
福島第一原発事故による放射能汚染により、立入禁止の区域を通過するという
特異な環境でもある常磐道ですが、特に気にする事もなく普通に走れる事が、
お分かり頂ければ幸いです(^^)
> NEXCO東日本 常磐道を利用される方へ
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